「給与で受け取りたい」社員も「将来の備えをしたい」社員も両方つかむ|中小企業の採用力を高める"選べる退職金"のかたち

「給与は大企業より低いし、退職金もそんなに出せない。これでは優秀な人材は採れない——」中小企業オーナーから本当によく聞くお悩みです。

最近、退職金制度を廃止して、その分を基本給に上乗せする大企業が出てきました。「中小企業もこれを真似すべきか?」と悩む方も多いはずです。しかし、社員のニーズは一律ではありません。「今の給与を増やしてほしい」社員もいれば、「将来のために退職金代わりの資産を作りたい」社員もいます

本記事では、その両方のニーズを同時に満たし、しかも会社の負担を最小化する新しい福利厚生のかたち——選択制DCを活用した「選べる退職金」の仕組みについて解説します。

📋 この記事でわかること

  • 給与重視と将来重視、多様化する社員ニーズの実態
  • 会社と社員の双方が得をする「選択制DC」の仕組み
  • 採用力強化と定着率アップにつながる具体的な導入ステップ

目次

1. 中小企業の採用力という、終わりなき悩み

💡 ポイント:退職金や給与の額面だけで大企業と競うのではなく、中小企業ならではの柔軟な福利厚生で差別化することが採用力強化の鍵です。

中小企業オーナーから最も多い人事の悩み

採用支援の現場で、中小企業オーナーから本当によく伺うのは次のようなお悩みです。

  • 「給与で大企業に勝てない」
  • 「退職金もそんなに出せない」
  • 「優秀な人材ほど大企業に流れてしまう」
  • 「採用してもすぐ辞める」

実際、人材の流動化は進んでおり、マイナビの調査によれば2025年の正社員の転職率は7.6%と過去最高水準を記録しました。「採用しても定着しない」という課題は、中小企業ほど深刻です。

求人広告だけでは差別化できない時代

似たような給与・休日数では、応募者の決め手になりません。今や応募者は給与だけで会社を選ばず、「ここで働く意味があるか」を多角的に判断しています。

特に注目すべきは、応募者・求職者の意識変化です。マイナビの転職動向調査では、転職時に応募意欲が上がる制度として「退職金制度がある」が42.8%で最多となっており、退職金は依然として求職者にとって重要な判断軸です。一方で、マイナビ2025年卒調査では「定年まで働きたい」と考える学生は20.1%にとどまり、長期勤務を前提としない求職者も増えています。「退職金で社員を縛る」発想が機能しにくくなっている一方で、福利厚生としての退職金そのものへの関心は高い——この一見矛盾するニーズをどう設計するかが、現代の人事課題なのです。

採用力強化の鍵は「他社にない独自の福利厚生」

帝国データバンクの2025年10月調査によれば、自社で導入している福利厚生として「退職金」を挙げた企業は76.0%にのぼります。つまり、ほとんどの企業が同じような退職金制度を持っているため、そこでは差別化できないのです。

中小企業が大企業と同じ土俵で戦っても勝てません。中小企業ならではの柔軟さで、独自の福利厚生を打ち出すことが採用力強化の本質です。

2. 最近話題の「退職金廃止+給与上乗せ」を中小企業が真似ると?

💡 ポイント:大企業のような退職金の基本給への上乗せは、社会保険料の負担増などの問題があり、中小企業の最適解とは限りません。

大企業で出てきた「退職金廃止+基本給上乗せ」の動き

2026年春、ある大企業が退職一時金制度の廃止と、その分の基本給上乗せを発表し、ビジネス界で話題になりました。終身雇用前提の制度を見直し、「今の給与」を重視する若手社員のニーズに応える形です。

ただし、こうした制度変更は過去3年間で全企業の約0.1%にとどまる極めて稀なケースで、特に従業員1,000人以上の大企業では事例すら確認されていなかった水準です(出典:厚生労働省「令和5年就労条件総合調査」)。

中小企業がそのまま真似ると、次の問題が起きる

「大企業がやるなら中小企業も追随すべきか」と考える経営者もいるでしょう。しかし、中小企業がこの仕組みをそのまま導入すると、いくつかの問題が起きます。

問題①:給与に上乗せした分は社会保険料が増える

給与に上乗せされた金額は標準報酬月額に含まれるため、健康保険料・厚生年金保険料が増加します。社員と会社の両方の負担が増え、手取りの増加は限定的になります。

問題②:上乗せ分は浪費されやすい

退職金は社員にとって「気づいたら貯まっていた」老後資金として機能していました。給与に組み込まれると、生活水準もそれに合わせて上がり、老後の備えが個人任せになります。計画的に資産形成できる社員はごく一部です。

問題③:「廃止」というメッセージは応募者に逆効果

中小企業に対して安心感を求める応募者には、「退職金廃止」というメッセージは逆効果に映ることもあります。給与額だけで他社と比較される構図になってしまい、結局大企業に負けやすくなります。

大企業の制度を真似することが、中小企業にとっての最適解とは限らない

大企業は持株会・確定給付年金など、退職金以外にも社員の長期的な備えを支える制度が充実していることが多く、退職金を廃止しても代替手段があります。中小企業はそうした補完手段が限定的なため、別のアプローチが必要です。

3. 社員の「お金のニーズ」は驚くほど多様

💡 ポイント:社員のニーズはライフステージにより「今すぐ使えるお金」と「老後への備え」に二極化しており、一律の制度では対応しきれません。

「給与重視」の社員のリアル

社員のお金に対するニーズは、ライフステージによって大きく異なります。

「今ほしい」と考える社員の典型は次の通りです。

  • 子育て・教育費が重い30〜40代
  • 住宅ローン返済中の世帯
  • 共働きで世帯収入を増やしたい層
  • 結婚・出産といったライフイベントが目前の20〜30代

こうした社員にとっての最大の関心は、「今すぐ使えるお金」です。将来の退職金より、今月の手取りが増えるほうが圧倒的にありがたい——これが本音です。

「将来重視」の社員のリアル

一方で、「将来に備えたい」と考える社員も少なくありません。

  • 老後資金への不安が強い40〜50代
  • 独身で貯蓄余力がある層
  • すでに住宅ローンを完済した層
  • 自助努力による資産形成に関心がある若い世代

こうした社員は、「老後の備えを計画的に作りたい」というニーズを強く持っています。

同じ会社の中でも、社員のライフステージは様々

考えてみてください。同じ会社に勤める社員でも、20代・30代・40代・50代でニーズは大きく異なります。既婚・独身・子供の有無でも違います。さらに同じ40代でも、子育て真っ最中の社員と独身で貯蓄余裕のある社員では、お金へのニーズは正反対です。

一律の福利厚生では、誰の心にも刺さらない時代

従来の福利厚生は「全員に同じ退職金」という最大公約数的な発想で設計されてきました。しかし、社員の価値観が多様化した今、この発想自体が時代に合わなくなっています

実は、「自分のニーズに合わせて選べる」こと自体が価値になる時代なのです。

4. 「今ほしい」社員と「将来に備えたい」社員の両方を満たす方法

💡 ポイント:給与と退職金を自分で選べる「選択制DC」を導入することで、多様な社員のニーズに同時に応えることができます。

「給与か退職金か」の二者択一を超える発想

ここまでの議論を整理すると、退職金制度の選択肢は次の3つに分類できます。

選択肢内容デメリット
廃止退職金廃止+給与上乗せ社保増・浪費リスク・備え消失
維持既存の退職金制度を維持流動性ゼロ・内部留保リスク
第3の道社員が選べる仕組み(後述)

「廃止」も「維持」も、それぞれにデメリットがあります。そこで注目したいのが第3の道——社員が選べる仕組みです。

その実現手段が「選択制DC(企業型確定拠出年金)」

選択制DCとは、給与の一部を「給与で受け取る」か「DC掛金として積立する」か、社員自身が決められる制度です。

具体的な仕組みは次の通りです。

  • 月額の上限:月5.5万円(2027年1月引落分から月6.2万円
  • 社員は1,000円単位など細かく振り替え額を設定可能
  • 給与で受け取る場合は通常通り、DC拠出を選んだ場合は所得控除+社保削減
  • 多くの場合、年1回など定期的に振り替え額を変更可能

社員一人ひとりが、自分のライフプランに合わせて選択できるのです。

これにより会社は次のメッセージを発信できる

「選べる仕組み」を導入した会社は、求職者に次のようなメッセージを発信できます。

  • 「給与重視の社員も、将来重視の社員も歓迎します」
  • 「あなたのライフプランに合わせて選んでください」
  • 「会社が一律で決めるのではなく、社員が主役の福利厚生です」

これは、一律の制度では絶対に出せない多様性への配慮を打ち出せる、強力なメッセージです。

5. 「給与」と「自分の退職金」、社員視点で何が違うのか

💡 ポイント:給与を選ぶと手元資金が増え、DCを選ぶと強力な節税効果と老後資金の形成が可能になります。それぞれのメリット・デメリットを正しく理解することが重要です。

「給与」を選ぶ場合の特徴

社員が「給与」を選ぶと、次のような特徴があります。

  • すぐに使える流動性
  • 普段通り社会保険料・所得税の対象
  • 老後の備えは別途必要

「今ほしい」社員にとっては、これがベストの選択です。

「自分の退職金(DC)」を選ぶ場合の特徴

社員が「DC」を選ぶと、次のような特徴があります。

  • 所得税・住民税が軽減される
  • 社会保険料の対象から外れる(標準報酬月額が下がる)
  • 60歳まで引き出せない
  • 拠出時に節税効果+運用益が非課税
  • 将来、退職所得控除を活用して受け取れる

「将来に備えたい」社員にとっては、強力な節税効果+老後資金形成ができる仕組みです。

例:月3万円分を選択した場合のシミュレーション

具体的に比較してみましょう。同じ月3万円分を、AさんとBさんがそれぞれ違う選び方をしたケースです。

Aさん(給与で受け取る)

  • 月3万円が額面で増加
  • 社会保険料・所得税の対象
  • 手取り増は約2万円程度
  • 自由に使える

Bさん(DCで受け取る)

  • 月3万円がDC口座に積立される
  • 社会保険料の対象外(標準報酬月額が下がる)
  • 所得税・住民税の節税効果(月7,000円相当)
  • 60歳まで引き出せないが、毎月の積立で老後資金を確実に形成

どちらが正解ということはありません。「今ほしい」Aさんも、「将来に備えたい」Bさんも、それぞれ最適な選択ができているのです。

注意点:DCを選ぶと社会保険給付が下がる

ただし、DCを選んだ場合の重要な注意点があります。

社会保険料の対象から外れる結果として、傷病手当金・出産手当金・育児休業給付金・将来の老齢厚生年金などが連動して減少します。

会社側としては、メリットだけでなくこのデメリットも社員に公平に伝える運用が必須です。

6. 中小企業がこの仕組みを導入する5つのメリット

💡 ポイント:採用力の向上だけでなく、社会保険料の削減や法人税の節税、退職給付債務のオフバランス化など、会社側にも大きな財務的メリットがあります。

メリット①:採用力の差別化

「自分で選べる退職金」は、他社にない独自の福利厚生として強力な差別化要素になります。「給与重視」と「将来重視」、両方の応募者層に刺さる点が大きな強みです。

「退職金あり」とだけ書かれた一般的な求人広告と、「退職金は給与でもDCでも、自分のライフプランに合わせて選べる」と書かれた求人広告——どちらが応募者の目を引くかは明らかです。

メリット②:採用ターゲットの幅が広がる

従来の「退職金あり」という訴求では、安定志向の応募者には響いても、自助努力派には響きませんでした。逆に「退職金なし+給与上乗せ」では、安定志向の応募者を取り逃がします。

「選べる仕組み」なら、両方の応募者層に同時にアピールできます。結果として応募の母集団が拡大し、採用の選択肢が広がります。

メリット③:会社負担の社保削減

社員がDCを選んだ分は、その社員の標準報酬月額が下がります。これにより会社負担分の社会保険料も削減されます。

例えば月3万円のDC拠出を選択する社員が10人いれば、年間で会社負担分の社保が数十万円〜100万円規模で削減される計算になります。

メリット④:法人税節税効果

DCの事業主掛金は法人税法施行令135条により全額損金算入できます。会社は毎月の掛金を当期の損金として処理でき、毎期確実に節税効果が生まれます。

これは内部留保で退職金を準備する場合と決定的に異なる点です。

メリット⑤:退職給付債務のオフバランス化

社員がDCを選んだ分は、その時点で会社の責任が完結します。退職時の大きな現金流出リスクから解放され、経営の予見可能性が高まります。

中小企業にとって、突発的な退職金支払いで運転資金が圧迫されるリスクは深刻です。これを構造的に解消できるのが、選択制DCの大きな価値です。

7. なぜ「中小企業こそ」この仕組みが武器になるのか

💡 ポイント:経営判断の早さや社員への個別対応のしやすさなど、中小企業の特性を活かすことで、この仕組みは強力な採用ブランドとなります。

大企業の真似ではなく、中小企業ならではの戦い方

実は、選択制DCのような「選べる仕組み」は、大企業より中小企業のほうが導入しやすい側面があります。

  • 大企業は制度変更に時間がかかる(労組・規程・株主との調整)
  • 中小企業は経営者の判断でスピーディに制度刷新できる
  • 規模が小さいほど社員一人ひとりへの説明が行き届く
  • 経営者と社員の距離が近く、納得感を作りやすい

社員一人ひとりへの目配りが効く

大企業は数千〜数万人を一律で扱わざるを得ず、社員ごとの最適化は事実上不可能です。一方、中小企業は社員一人ひとりのライフプランに合わせた説明が可能です。

「Aさんは住宅ローン返済中だから給与優先のほうが良いかもしれない」「Bさんは独身で貯蓄余裕があるからDC活用が向いている」——こうした個別対応は、中小企業の強みです。

「社員が主役の福利厚生」というブランディング

「うちは社員一人ひとりのライフプランに合わせて選べる制度を提供しています」——このメッセージは、中小企業のほうが説得力を持つものです。

大企業がこのメッセージを発信しても「実態は画一的でしょう」と疑われがちですが、中小企業が発信すれば「顔の見える経営」と「選べる制度」がうまく組み合わさり、採用ブランドとして強い訴求力を生みます。

採用後の定着率向上にも貢献

人は「自分で選んだ」ことには納得感を持ちます。会社が一方的に決めた制度より、自分が選んだ制度のほうが大切にする傾向があります。

結果として、選択制DCを導入した会社では離職率の低下も期待できます。マイナビの調査で正社員の転職率が過去最高の7.6%まで上昇する中、定着率向上は中小企業の重要な経営課題です。

8. 求人募集でこう打ち出せる:採用ピッチへの落とし込み

💡 ポイント:「選べる福利厚生」であることを求人広告や面接で具体的にアピールすることで、応募者の関心を強く惹きつけることができます。

求人広告でのアピール文例

選択制DCを導入した場合、求人広告では次のような表現が可能です。

  • 「給与か退職金か、自分のライフプランに合わせて選べる福利厚生」
  • 「将来の備えも、今の給与も、両方大切にできる会社です」
  • 「社員一人ひとりの人生設計を尊重する制度設計」
  • 「20代でも50代でも、自分に最適な選択ができます」

「退職金あり」という汎用的な表現ではなく、具体的にどう「選べる」のかを明示することで、応募者の関心を引きます。

面接時の説明ポイント

面接の場では、制度の柔軟性を具体例で示すことが効果的です。

  • 「もしあなたが20代独身なら、こう活用できます」
  • 「もしあなたが30代子育て世帯なら、こう活用できます」
  • 「あなたなら、どう活用したいですか?」

応募者自身に自分のライフプランに当てはめて考えてもらうことで、入社後のイメージが具体化します。

採用ページに掲載する制度紹介

会社の採用ページには、図解で「給与」「DC」の選択イメージを掲載するのが効果的です。

  • 月3万円・5万円・10万円といった具体的な金額でのシミュレーション例
  • 「給与で受け取った場合」「DCで受け取った場合」の比較
  • 社員インタビューで実際の選択例を紹介

内定通知書の段階で具体例を示す

内定者には、内定通知書とともに「選択制DC活用ガイド」を送付するのも有効です。「もし給与で受け取った場合」「もしDCで受け取った場合」のシミュレーションを添えることで、入社前からこの制度の価値を実感してもらえます。

9. 導入の現実:何から始めればよいか

💡 ポイント:現状の把握から始まり、設計方針の決定、社員説明会、機関選定、投資教育まで、無理のない段階的な移行が成功の鍵です。

実践的な導入プロセスを5ステップで整理します。

1 ステップ①:自社の退職金制度の現状把握

まずは現状把握から始めます。

  • 既存の退職金規程の確認
  • 退職給付債務の試算
  • 現状の社員のお金に関する関心の把握(簡易ヒアリング等)

2 ステップ②:選択制DCの設計方針決定

次に、自社にとって最適な制度設計を検討します。

  • 完全置き換え型:既存の退職金制度を廃止し、選択制DCに完全移行
  • 上乗せ型:既存制度はそのままに、選択制DCを上乗せで導入
  • 段階移行型:既存制度を縮小しつつ、選択制DCを拡大

中小企業の場合は、急激な変更で社員の不安を招かないよう、段階移行型が現実的なケースが多くあります。

3 ステップ③:労使合意・社員説明会

制度変更には労使合意が必須です。社員への丁寧な説明会を開催し、次の点を伝えます。

  • 制度の趣旨と選択肢
  • メリット(節税効果・老後資金形成など)
  • デメリット(社会保険給付の減少など)
  • 強制ではなく選択であることを明確に

「会社が一方的に決める」のではなく「社員が選ぶ」という姿勢を貫くことが、納得感の高い導入につながります。

4 ステップ④:運営管理機関の選定

選択制DCを実施するには、運営管理機関を選任する必要があります。

  • 手数料水準
  • 商品ラインナップ
  • 投資教育の質
  • 中小企業向けサポート体制

5 ステップ⑤:継続的な投資教育の実施

制度導入後は、社員が選択制DCを正しく活用できるよう、継続的な投資教育が必要です。これは確定拠出年金法第22条の事業主の努力義務でもあります。

  • 入社時の制度説明
  • 年1回の継続教育
  • 個別相談対応

企業型DCの導入・運用サポートならFGパートナーズへ

株式会社FGパートナーズでは、企業型DCの導入から運用まで、中小企業の経営者に寄り添ったトータルサポートを提供しています。

FGパートナーズが選ばれる理由

  • 制度設計から厚生局申請まで、すべてワンストップで対応
  • 導入後も継続的な投資教育プログラムを提供し、制度の形骸化を防止
  • 専任の担当者が法改正・税制変更にも迅速に対応
  • 初回相談・シミュレーションは無料

「まずは自社に企業型DCが向いているか確認したい」という方も、お気軽にご相談ください。
貴社の状況をヒアリングのうえ、最適なプランをご提案します。

よくある質問(FAQ)

Q

全員が「給与」を選んだら、選択制DCを導入した意味はある?

A

はい、意味があります。「選べる」という仕組み自体が採用ブランドとして機能するためです。実際に選ぶかどうかは社員一人ひとりの判断ですが、「選択肢がある会社」と「選択肢がない会社」では、応募者からの見え方が大きく異なります。また、ライフステージの変化により、後から「DCを選ぶ」社員が増えることも一般的です。

Q

既存社員にも選択肢を提供できる?

A

はい、規約変更により可能です。ただし、既存の退職金制度との整合性をどう取るかは慎重に設計する必要があります。一般的には「既存制度はそのままに、選択制DCを上乗せで提供」という上乗せ型が、既存社員の不利益が生じない形で進めやすいパターンです。

Q

全員に強制で「DC」を選ばせることはできる?

A

「選択制DC」は選択であることが前提の制度です。強制すると制度の趣旨に反するうえ、社員の納得感を損ないます。会社として推奨することは可能ですが、最終判断は社員に委ねる運用が原則です。

Q

規模の小さい会社(従業員10名以下)でも導入できる?

A

はい、導入可能です。一人社長・マイクロ法人向けに対応している運営管理機関もあります。ただし、加入者数が少ないとコスト効率が下がる傾向があるため、運営管理機関選定時に小規模対応プランの有無を確認することが重要です。

Q

求人募集でこの制度をアピールする際の注意点は?

A

メリットだけでなくデメリットも公平に開示することが重要です。特に「DCを選ぶと60歳まで引き出せない」「社会保険給付が連動して下がる」といった注意点は、求人段階では触れなくても、面接や内定段階で必ず説明する必要があります。後で「聞いていなかった」というトラブルを防ぐためにも、誠実な情報開示が結果として信頼につながります。

Q

「給与を受け取りたい」社員から「制度導入は無意味」と言われないか?

A

制度を導入しても、社員は従来通り給与で受け取り続けることができます。つまり、「給与を選ぶ社員にとって不利益は生じない」のです。むしろ、「DCを選ぶこともできる」という選択肢が増えるだけで、デメリットはありません。社員説明会では、この点を明確に伝えることで誤解を防げます。

まとめ

最後に、本記事の要点を整理します。

  • 中小企業の採用力強化は、画一的な福利厚生では実現できない時代
  • 大企業の「退職金廃止+給与上乗せ」を真似するだけでは中小企業の答えにならない
  • 社員の「今ほしい」と「将来に備えたい」、両方のニーズを満たす設計が必要
  • 選択制DCを活用した「選べる退職金」は、その両方を満たす唯一の選択肢
  • 採用力強化・社員の納得感・会社の財務効率、すべてを同時に満たす制度設計が可能
  • 社員が選べる」こと自体が、中小企業の最大の武器になる

応募者が「給与重視」か「将来重視」かは、会社側がコントロールできることではありません。だからこそ、両方のニーズに応えられる仕組みを持つことが、これからの中小企業の採用力を決定づけます。

「うちの会社でも導入できるか」「どう設計するのが最適か」「社員にどう説明すべきか」——こうした個別のお悩みは、企業型DCの導入支援実績が豊富な弊社にぜひご相談ください。

経験豊富な専門家が、貴社の状況に合わせた最適な制度設計と社員説明のサポートをご提案します。

参考・出典

本記事は以下の公式情報・公的資料を参照して作成しています。最新情報は必ず公式サイトでご確認ください。

※本記事は2026年5月時点の情報に基づいて作成しています。法改正や具体的な運用ルールは今後変更される可能性がありますので、最新情報は厚生労働省などの公式サイトもご確認ください。また、個別の制度設計や税務判断は、専門家へのご相談をおすすめします。

【免責事項】

本記事は、企業型確定拠出年金(企業型DC)に関する一般的な情報提供を目的として作成されています。記載内容は執筆時点の法令・税制に基づくものであり、今後の法改正・制度変更により内容が変わる場合があります。本記事は特定の投資行動・税務処理・法的手続きを推奨するものではなく、個別の状況に応じた専門的アドバイスの提供を目的とするものではありません。実際の導入・運用にあたっては、税理士・社会保険労務士・ファイナンシャルプランナー等の専門家へのご相談を強くお勧めします。本記事の情報を利用したことにより生じたいかなる損害・不利益についても、株式会社FGパートナーズは一切の責任を負いません。