ただの退職金制度では響かない。採用に効く「投資教育付き」企業型DC

「給与を上げても、大手企業の条件には敵わない」
「せっかく内定を出しても、福利厚生の薄さを理由に辞退されてしまう」

従業員10名〜100名規模の企業を経営する中で、このような採用に関する悩みを抱えている経営者は少なくありません。売り手市場が続く中、賃上げ競争に疲弊してしまうケースも多いでしょう。

実は今、求職者、特に20代〜30代の若手層の意識が大きく変わってきています。彼らが求めているのは、単なる「目先の給与」だけではありません。「この会社にいれば、自分の将来は守られるのか?」という、長期的な安心と資産形成のスキルです。

今回は、単に退職金制度を導入するだけでなく、「投資教育」とセットで企業型DC(企業型確定拠出年金)を導入することが、なぜ採用戦略として有効なのか、その理由を解説します。

なぜ、従来の「退職金制度」は求職者に響かないのか?

多くの企業で導入されている「中小企業退職金共済(中退共)」や、社内留保型の退職金制度。これらは素晴らしい仕組みですが、残念ながら採用面接の場では、求職者の心を強く動かす材料になりにくくなっています。

1. 「何十年も先の話」で実感が湧かない

20代の若手社員にとって、定年退職は遥か彼方の出来事です。「30年後に〇〇万円もらえます」と言われても、現実味がありません。また、終身雇用が当たり前ではない現代において、「定年まで勤め上げること」を前提とした退職金制度は、インセンティブとして機能しづらくなっています。

2. 「会社任せ」のブラックボックス化

従来の制度は、会社が掛け金を出し、会社(または共済)が運用・管理するものでした。従業員からすれば「内容はよく分からないけれど、会社がやってくれているらしい」という程度の認識になりがちです。これでは、福利厚生としての価値が伝わりません。

3. 金融リテラシーの高まりとミスマッチ

「老後2000万円問題」以降、若年層の資産形成への関心は急激に高まっています。iDeCoやNISAに関心を持つ層が増える中、古いタイプの退職金制度だけでは「この会社は社員の資産形成に対して感度が低いのではないか?」という誤ったメッセージを与えかねません。

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採用に効くのは「自分で育てる」退職金

そこで注目されているのが、企業型DC(企業型確定拠出年金)です。
企業型DCは、会社が掛金を拠出し、従業員自身が運用商品を選んで資産形成を行う制度です。
これがなぜ採用に効くのか、3つのポイントがあります。

1. 「手取り」と「将来」の両立が見える

企業型DCの掛金は、給与とは別に積み立てられますが、運用益が非課税になるだけでなく、社会保険料の算定対象外になるなど、会社・個人の双方に税制メリットがあります(※選択制DCの場合など導入形態による)。

「給与だけでなく、会社があなたの将来のために毎月これだけのお金を非課税で積立投資してくれますよ」というメッセージは、実質的な待遇アップとしてアピールになります。

2. ポータビリティ(持ち運び)が可能

企業型DCの資産は個人のものとして管理されるため、万が一転職することになっても、転職先の企業型DCやiDeCoに資産を持ち運ぶことができます。

「うちの会社で働いている期間の積立は、仮にあなたがキャリアアップで転職しても無駄になりません」と言えることは、今の時代のキャリア観を持つ人材に対して、非常に合理的で誠実な提案として映ります。

3. 福利厚生が「金融教育」に変わる

ここが最も重要なポイントです。単にお金を出すだけでなく、「資産の増やし方」を学べる環境を提供することで、福利厚生の意味合いが大きく変わります。

「制度導入」だけでは不十分な理由

しかし、ここで注意が必要です。「企業型DCを導入しました」というだけでは、採用効果は最大化されません。むしろ、逆効果になるリスクさえあります。

よくある「制度の形骸化」の例

  • 「会社でDCに入ったけど、何を選べばいいか分からず放置している」
  • 「元本確保型(定期預金など)に入れたままで、全然増えていない」

多くの導入企業でこのような事態が起きています。
投資経験のない社員に対し、「あとは自己責任で運用してください」と丸投げしてしまうと、社員は不安を感じ、制度への不満につながってしまいます。これでは本末転倒です。

だからこそ、採用の武器にするためには「投資教育」が不可欠なのです。

継続的な「投資教育」こそが差別化要因

採用活動において成果を上げている企業は、必ずと言っていいほど「充実した投資教育・アフターフォロー」をセットにしています。

面接で語れる「社員の人生を守る」姿勢

面接の場で、社長や人事担当者がこのように語れたらどうでしょうか?

「うちは単に退職金を用意するだけではありません。あなたが将来お金に困らないよう、プロの講師を呼んで『お金の増やし方』や『経済の仕組み』を学ぶ研修を定期的に行っています。この知識は、一生モノのスキルになりますよ」

これは、単なる金銭的な報酬を超えた、「社員の人生そのものを応援する」という強力なメッセージになります。
「給与の高さ」で競合するのではなく、「社員を大切にする姿勢」で競合と差別化を図ることができるのです。

入社後の定着率(リテンション)向上

定期的な勉強会や、個別のライフプラン相談の場があることで、従業員は自分の資産が育っていく過程を実感できます。「この会社にいるおかげで、資産形成が順調に進んでいる」という実感は、エンゲージメント(帰属意識)を高め、離職防止に大きく寄与します。

導入後の「継続」が成功のカギ

制度の設計や役所への手続きは、あくまでスタートラインに過ぎません。導入後にどのようなフォロー体制を作るかが重要です。

成功するためのフォロー体制例

  • 導入時の分かりやすい説明会:
    投資未経験者にも理解してもらえる基礎講座。
  • 定期的なフォローアップ研修:
    積立投資の考え方、インフレへの対抗策など、時代に合わせた情報提供。
  • 個別相談への対応:
    社員一人ひとりのライフプランに寄り添ったアドバイス。

「制度を入れて終わり」にせず、社員への教育機会を継続的に提供することで、初めて企業型DCは「採用に効く福利厚生」として機能します。

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まとめ:採用力を強化するなら「教育」への投資を

人材採用は、条件面のスペック競争になりがちです。しかし、資本力のある大手企業と同じ土俵で戦っても、中小企業は疲弊するだけです。

「お金(掛金)」だけでなく、「知恵(投資教育)」をセットで提供する。

これこそが、賢い求職者に選ばれ、長く活躍してもらうための、中小企業ならではの勝ち筋といえるでしょう。

自社の採用課題を解決する一つの手段として、企業型DCと投資教育の導入を検討してみてはいかがでしょうか。導入によるコストメリットや、具体的な制度設計については、別記事でも詳しく解説しています。

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