社長と妻だけの会社でも企業型DCは使える?家族経営会社の制度設計

「うちは私と妻の2人だけ。従業員がいなくても企業型DC(企業型確定拠出年金)は使えるのか」——。家族経営の会社を営む経営者から、よくいただく質問です。

結論からお伝えすると、社長と配偶者だけの会社でも、企業型DCは導入できます。従業員がいないと作れない制度ではありません。

ただし、家族経営ならではの重要な分かれ目があります。それは、奥さまが企業型DCに加入できるかどうかは「厚生年金の被保険者かどうか」で決まるという点です。とくに、社会保険上、配偶者の扶養に入って国民年金の第3号被保険者になっている奥さまは、企業型DCに加入できません。ここを知らずに進めると、「夫婦2人分の枠を使うつもりが、実際には社長1人分だった」ということになりかねません。

この記事では、社長目線で、家族経営の会社が企業型DCをどう設計すればよいかを整理します。従業員がいない・少ないからこそ、制度の選択肢が限られる——その前提のうえで、何が使えるのかを見ていきます。

📋 この記事でわかること

  • 社長と配偶者だけの会社でも企業型DCを導入できること
  • 配偶者が加入できるかを分ける「厚生年金の被保険者」という基準
  • 配偶者の立場別(常勤役員・非常勤役員・扶養内)の可否と代替策
  • 掛金の設計方法と、家族経営ならではの注意点

1. 結論|従業員がいなくても企業型DCは導入できる

まず結論です。厚生年金の適用事業所であれば、役員だけの会社でも企業型DCを実施できます。 「従業員が何人以上いないと作れない」という決まりはありません。

企業型DCの加入対象は、実施事業所に使用される厚生年金保険の被保険者です。役員であっても、厚生年金の被保険者であり、規約で定める加入資格を満たしていれば加入者になれます。社長ひとりの会社でも、社長と配偶者の2人の会社でも、要件を満たせば導入は可能です。

家族経営の会社にとって、これは大きな意味があります。従業員向けの退職金制度の多くは家族経営では使いにくい一方、企業型DCは経営者自身と配偶者の老後資金・退職金を、会社の制度として積み立てられるからです。

家族経営の会社では、稼いだお金をどこに置くかが常に悩みどころです。会社に資金を残せば、その資金は引き続き会社の財産として事業リスクの中にあります。役員報酬として個人へ移せば、所得税・住民税や社会保険料の対象になります。これに対して企業型DCの事業主掛金は、会社の損金としながら、加入者の個人別管理資産として老後資金を社外に積み立てられます。いわば「第三の置き場所」です。

2. カギは「厚生年金の被保険者かどうか」|配偶者の立場で答えが変わる

ここが本記事の中心です。会社として企業型DCを導入できても、奥さまが加入者になれるかどうかは別の話です。

繰り返しになりますが、企業型DCに加入できるのは厚生年金の被保険者で、規約の加入資格を満たす人です。したがって、奥さまが厚生年金の被保険者でなければ、企業型DCには加入できません。

役員が厚生年金の被保険者になるかどうかは、「常勤」「非常勤」という肩書きで決まるのではなく、会社との使用関係が常用的といえるか、そして労務の対償として報酬を受けているかで判断されます。状況別に整理すると、次のようになります。

配偶者の状況厚生年金・企業型DC
会社と常用的な使用関係があり、役員報酬等を受けている厚生年金の被保険者となれば、DCに加入できる
非常勤で、常用的な使用関係が認められない被保険者でなければ、DCに加入できない
役員報酬がなく、使用関係も認められない原則、DCに加入できない
社会保険上、扶養に入り第3号被保険者になっているDCに加入できない

💡 ポイント:「妻も企業型DCに入れたい」と考えたら、まず確認すべきは制度の話ではなく、奥さまが厚生年金の被保険者になっているかです。肩書きではなく、この一点が加入可否を分けます。社会保険上、扶養に入って国民年金の第3号被保険者になっている場合は、厚生年金の被保険者ではないため企業型DCに加入できません。

なお、非常勤役員かどうかは名目ではなく実態で判断されます。定期的に出勤して業務に関与しているなど、実質的に常勤に近い働き方をしていれば、被保険者と判断されることもあります。逆に、取締役会に出席する程度で業務執行に関与していない場合は、非常勤として扱われる可能性が高くなります。出勤の頻度、業務への関与の度合い、報酬の水準などを総合的に見て判断されるため、名目上の肩書きだけでは決まりません。判断に迷う場合は、年金事務所や社労士に確認するのが確実です。

家族経営の会社では、奥さまが経理や事務を担いながら、社会保険上は扶養の範囲内にとどめている、というケースが少なくありません。この場合、実務を担っていても厚生年金の被保険者ではないため、企業型DCには加入できないことになります。

この確認は、制度の検討に入る前の最初のステップとして行ってください。運営管理機関に相談を始めてから「妻は対象外でした」と分かると、想定していた掛金の総額や、制度を導入する意義そのものが変わってしまいます。まずは直近の給与明細や社会保険の資格取得の状況を確認し、奥さまが厚生年金の被保険者になっているかどうかをはっきりさせておきましょう。

3. 配偶者が加入できない場合の選択肢|iDeCoという受け皿

奥さまが扶養の範囲内で、企業型DCに加入できない場合はどうすればよいでしょうか。

有力な選択肢がiDeCo(個人型確定拠出年金)です。国民年金の第3号被保険者は原則としてiDeCoに加入でき(老齢給付金の受給状況など、ほかの要件もあります)、掛金の上限は月2万3,000円。掛金は全額が所得控除の対象になります(ただし、扶養内で所得税を納めていない場合、所得控除のメリットは限定的です)。それでも、運用益が非課税になる点と、受け取り時に退職所得控除や公的年金等控除を使える点は変わりません。

つまり、社長は会社の制度である企業型DC、奥さまは個人のiDeCoという「世帯での二本立て」が、家族経営では現実的な形になります。会社の損金にできるのは企業型DCの掛金だけですが、世帯として老後資産を積み上げるという目的は達成できます。なおiDeCoは、2026年12月1日から一定の要件のもと加入可能年齢が70歳未満まで拡大される予定です。ただし、国民年金の第3号被保険者という資格自体は原則20歳以上60歳未満のため、60歳以降に加入を続けられるかは、ご本人の公的年金の加入状況によって変わります。

「妻を厚生年金の被保険者にする」という選択肢

もう一つ、奥さまが実際に会社の業務を継続的に担っており、その勤務実態や報酬から厚生年金の被保険者に該当するのであれば、企業型DCの加入対象にできる可能性があります。そうなれば、夫婦それぞれに拠出限度額が適用されます。

ただし、ここは慎重に考えてください。

  • 社会保険料の負担が新たに発生する:被保険者になれば、会社と本人で保険料を負担します。企業型DCの税制メリットだけを見て判断すると、トータルで損をすることもあります。
  • 実態が伴わなければ問題になる:役員報酬は労務の対償として支払うものです。実際の勤務実態がないのに形式だけ整えるのは避けるべきです。
  • 将来の年金は増える:厚生年金の被保険者になれば保険料は増えますが、そのぶん将来の厚生年金も増えます。これは奥さまにとってのメリットです。

税・社保だけを目的に形を整えるのではなく、実態に即して判断するのが大前提です。「役員にして報酬を出せば、任意に加入できる」というものではありません。奥さまが実際に会社の業務を担っているなら、その対価として適正な報酬を設定し、結果として社会保険の被保険者に該当する——という順番で考えましょう。判断には税務・労務の両面が絡むため、顧問税理士や社労士と相談することをおすすめします。

4. 中退共や保険は使いにくい|家族経営の制度選択

「そもそも他の制度ではだめなのか」と思われるかもしれません。退職金制度というと中退共(中小企業退職金共済)を思い浮かべる方も多いのですが、家族経営の会社では使いにくいのが実情です。

まず、中退共は原則として法人の役員が加入できません。社長も、役員である奥さまも対象外です。

ただし、奥さまが「役員」ではなく家族従業員として働いている場合は別です。労働条件通知書や賃金の支払い実態などから、使用従属関係のある従業員としての実態が確認できれば、同居の親族であっても加入できることがあります。なお、同居の親族のみを雇用する事業所は、掛金助成の対象になりません

法人保険については、家族経営の会社でも利用すること自体はできます。ただし、養老保険の保険料を2分の1損金にする、いわゆるハーフタックスの処理を想定する場合は注意が必要です。国税庁は、役員や部課長その他特定の使用人(その親族を含む)のみを被保険者としている場合、その損金部分はその役員・使用人への給与になるとしています。夫婦だけの会社では、この要件を満たすのが難しくなります。

小規模企業共済は、経営者個人が掛金を払い、全額が所得控除になる制度で、家族経営でも使いやすい選択肢です。ただしこちらは「会社の制度」ではなく個人の備えで、会社の損金にはなりません。

つまり、会社の損金にしながら経営者と配偶者の退職金を積み立てたいという目的で見ると、家族経営の会社で使える制度は限られており、企業型DCが軸になりやすいというのが実情です。

5. 掛金をどう設計するか|社長と妻で差をつけられる?

夫婦とも加入できる場合、掛金の設計が次の論点になります。

まず上限です。企業型DCの拠出限度額は、DB等の他制度がなければ月5.5万円(2026年12月1日以降は月6.2万円)。これは加入者一人ひとりに適用されるため、夫婦2人が加入者であれば、それぞれに拠出限度額が適用されます。結果として、世帯で使える拠出の余地は大きくなります。

たとえば会社が事業主掛金として夫婦それぞれに月3万円を拠出する設計なら、年間72万円を会社の損金としながら積み立てられる計算になります。役員報酬で同額を受け取る場合と比べ、税・社会保険の面での違いは小さくありません。

次に、掛金を社長と奥さまで変えられるかという点です。ここは誤解されやすいのですが、事業主掛金は加入者ごとに自由な金額を設定できるわけではありません

法令では、事業主掛金は定額または給与に一定の率を乗ずる方法(その他これに類する方法)で算定すると定められています。そして法令解釈上、定額とする場合は基本的に加入者全員が同額でなければならず、勤続年数・年齢・資格などに応じて複数の額を設けることは、労使の合意があっても認められません。

では、社長と奥さまで金額に差をつけたい場合はどうするか。給与に一定率を乗じる「定率」を採用すれば、報酬水準の違いに応じて結果的に掛金額が変わります。この場合の「率」も、勤続年数などに応じて複数設けることはできません。また、給与・退職金等の労働条件が異なるグループごとに区分を設ける方法もありますが、そこには合理的な理由が必要です。

いずれにしても、事業主の恣意で個別に金額を決められる制度ではないという点を押さえておきましょう。掛金の算定方法は、規約や給与体系との整合をとって設計する必要があります。とくに選択制DCとして役員報酬の一部を振り替える場合は、定期同額給与の取り扱いや社会保険への影響もあわせて確認してください。

  • 拠出限度額は月5.5万円(2026年12月〜6.2万円)。加入者ごとに適用される。
  • 掛金の算定は「定額」または「給与に一定率」など、規約で定めた客観的な方法による。
  • 定額なら原則、加入者全員が同額。個別に自由な金額は設定できない。
  • 選択制DCとして報酬を振り替える場合は、定期同額給与や社会保険への影響も要確認。

6. 家族経営で企業型DCを使うメリット

改めて、社長目線でのメリットを整理します。

① 役員報酬で受け取るより効率がよい

同じ資金を役員報酬で受け取れば、所得税・住民税・社会保険料の対象になります。企業型DCの事業主掛金は会社の損金になり、拠出時に給与として課税されず、社会保険料の算定対象にもなりません。受け取り時には、一時金なら退職所得、年金なら雑所得(公的年金等控除の対象)として課税されます。

② 夫婦2人分の枠を使える

奥さまも加入者になれる場合、夫婦それぞれに拠出限度額が適用されるため、世帯として使える拠出の余地は大きくなります。家族経営だからこそ、小さな会社でもまとまった額を計画的に積み立てられます。老後の生活は夫婦単位で考えるものですから、この点は大きな利点です。

③ 事業のリスクと切り離せる

企業型DCの給付を受ける権利は、法律上、原則として譲渡・担保提供・差押えが禁止されています(国税滞納処分等は例外)。個人保証をしている経営者にとって、事業の負債と切り離した「置き場所」を持てる意味は小さくありません。

④ 老後の「見える化」ができる

家族経営の会社では、事業の資産と個人の資産、そして老後資金の境界があいまいになりがちです。企業型DCは加入者ごとに個人別管理資産として区分されるため、「自分たちの老後資金がいくら貯まっているか」が明確になります。事業の浮き沈みとは別枠で、老後の備えが積み上がっていく状態をつくれる点は、精神的な安心にもつながります。

⑤ 万一のときは配偶者へ

加入者が亡くなった場合、個人別管理資産にもとづく死亡一時金が遺族に支給されます。生前に指定受取人を指定していればその人が優先され、指定がなければ確定拠出年金法の順位により配偶者が最優先となります。夫婦で経営している会社にとって、これは実務的にも大きな安心材料です。ただし、遺族が制度の存在を知らなければ請求されないままになりかねません。夫婦とも、どの運営管理機関に資産があるかを共有しておきましょう。

7. 注意点と落とし穴

一方で、家族経営だからこそ気をつけたい点もあります。

  • 原則60歳まで引き出せない:事業や生活の資金は別に確保したうえで、余裕資金で始める。
  • 運営コストの重さ:加入者が2人だと、1人あたりの運営管理手数料の負担感は相対的に大きくなります。掛金額と見合うか、事前に試算を。
  • 役員報酬を下げて掛金に回す設計:定期同額給与の取り扱いや、社会保険・将来の年金額への影響を事前に確認する。
  • 従業員を雇ったときの扱い:将来採用したときに加入資格をどうするか、規約の設計段階で想定しておく。
  • 運用と投資教育は自分たちで:加入者自身が運用する制度です。少人数でも継続的に学ぶ姿勢が必要です。
  • 夫婦で運用が偏らないように:世帯の資産全体で見たとき、二人が同じ商品に集中していないかを確認しましょう。

とくに1つめは重要です。企業型DCは老後資金をつくる制度で、途中で自由に引き出せません。家族経営の会社は事業と家計が近いぶん、掛金の設定は「なくても回る金額」から始めるのが安全です。掛金は後から増額もできますので、最初から上限いっぱいを目指す必要はありません。

もう一つ、夫婦だけの会社では受け取りの設計も夫婦セットで考えることをおすすめします。二人がほぼ同時期に受け取ると、退職所得控除の使い方や、会社から役員退職慰労金を支給する場合の資金繰りが重なります。いつ、誰が、どの順番で受け取るのかを早い段階から描いておくと、出口で慌てずに済みます。

8. 導入の進め方

実際に導入する場合の流れは、次のようになります。

  • 社会保険の扱いを確認する:奥さまが厚生年金の被保険者かどうかを確認する。ここが加入可否の起点です。
  • 加入資格と掛金を設計する:規約で加入資格を定め、掛金の額と算定方法を決める。
  • 運営管理機関を選ぶ:手数料・商品ラインナップ・サポート体制を比較する。
  • 労使の手続きを行う:過半数労働組合、なければ過半数代表者の同意を得て規約を作成する。なお、役員のみの会社では、一般の従業員がいる会社と労使手続きの実務が異なる場合があるため、規約申請を行う運営管理機関等に確認してください。
  • 承認・運用開始:規約の承認を経て、掛金の拠出と運用が始まります。

準備には数か月単位の期間を見込んでおくと安心です。少人数の会社ほど、社長自身が窓口を兼ねることになるため、早めに専門家と組んで進めるのが現実的です。

なお、2番目の加入資格の設計では、将来を見据えておくことが大切です。いまは夫婦2人でも、事業の拡大で従業員を雇う可能性はあります。その際に規約を変更する手間を減らすためにも、加入資格の定め方は導入時に検討しておきましょう。

Q

従業員がいないと企業型DCは作れませんか?

A

作れます。法人で厚生年金の適用事業所であれば、役員だけの会社でも実施できます。加入者になれるのは、実施事業所に使用される厚生年金の被保険者で、規約の加入資格を満たす人です。

Q

扶養の範囲内で働いている妻も加入できますか?

A

できません。扶養の範囲内の配偶者は国民年金の第3号被保険者であり、厚生年金の被保険者ではないためです。この場合は、iDeCo(第3号被保険者の掛金上限は月2万3,000円)が選択肢になります。

Q

妻を役員にすれば加入できますか?

A

常勤の役員として役員報酬を受け、厚生年金の被保険者になれば加入できます。ただし社会保険料の負担が新たに発生し、実態を伴わない形式だけの就任は問題になり得ます。実際の勤務実態にもとづいて判断し、税理士や社労士に相談しながら進めてください。

Q

社長と妻で掛金の額を変えられますか?

A

制度設計によっては可能ですが、個人ごとに自由に決められるわけではありません。定額とする場合は原則として加入者全員が同額で、差をつけたい場合は給与に一定率を乗じる方法など、規約で定めた客観的な算定方法によります。労働条件が異なるグループごとに区分を設ける場合も、合理的な理由が必要です。

Q

夫婦2人だと、拠出限度額はどうなりますか?

A

拠出限度額は加入者ごとに適用されます。DB等の他制度がなければ、一人あたり月5.5万円(2026年12月1日以降は月6.2万円)です。夫婦とも加入者であれば、それぞれに枠が適用されます。

Q

個人事業でも企業型DCを導入できますか?

A

厚生年金の適用事業所であれば、個人事業所でも企業型DCを実施できる場合があります。ただし、個人事業主本人は厚生年金の被保険者にならないため、ご自身が加入者になることはできません。事業主本人の老後資金づくりには、iDeCoや小規模企業共済が選択肢になります。法人化を検討している場合は、そのタイミングで合わせて設計するとよいでしょう。

Q

妻だけを加入者にすることはできますか?

A

規約で加入資格を定めること自体は可能ですが、特定の人だけを恣意的に対象とする設計は認められません。加入資格は、特定の者について不当に差別的でない、合理的な基準で定める必要があります。誰を対象にするかは、専門家と相談しながら設計してください。

Q

社長ひとりだけ(妻は加入しない)でも導入する意味はありますか?

A

あります。役員報酬の一部を事業主掛金に振り替えれば、会社は損金にでき、社長個人は拠出時に給与課税されません。ただし加入者が1人だと運営管理手数料の負担感が相対的に大きくなるため、掛金額と見合うかの確認は必要です。

Q

会社の業績が悪化したら、掛金を止められますか?

A

掛金の額は規約に定めた範囲で変更できますが、規約の変更手続きが必要になるなど、簡単に増減できるものではありません。「業績が悪い年でも払い続けられる金額」で始めることが、家族経営ではとくに重要です。

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まとめ|導入はできる。分かれ目は「妻が厚生年金の被保険者か」

社長と配偶者だけの会社でも、企業型DCは導入できます。ただし、奥さまが加入者になれるかどうかは、厚生年金の被保険者かどうかで決まります。制度の話に入る前に、まずは社会保険の扱いを確認するのが出発点です。

おさえる4点

  • 役員だけの会社でも導入できる:加入対象は、実施事業所に使用される厚生年金の被保険者。
  • 扶養内の妻は加入できない:第3号被保険者は対象外。この場合はiDeCoが受け皿になる。
  • 中退共・保険は使いにくい:役員は中退共の対象外、同族中心だと保険の福利厚生扱いも難しい。
  • 夫婦2人分の枠を使える:拠出限度額は加入者ごと。掛金に差を設けるなら合理的な理由を。

家族経営の会社は、事業と家計、そして老後の備えが密接に結びついています。だからこそ、制度の有利不利だけでなく、資金繰りに無理がないか、実態に即した設計になっているかまで見て決めることが大切です。社会保険の扱いから出口の設計まで含めて、専門家と一緒に検討することをおすすめします。

参照した公的情報源

【免責事項】

本記事は、企業型確定拠出年金(企業型DC)に関する一般的な情報提供を目的として作成されています。記載内容は執筆時点の法令・税制に基づくものであり、今後の法改正・制度変更により内容が変わる場合があります。本記事は特定の投資行動・税務処理・法的手続きを推奨するものではなく、個別の状況に応じた専門的アドバイスの提供を目的とするものではありません。実際の導入・運用にあたっては、税理士・社会保険労務士・ファイナンシャルプランナー等の専門家へのご相談を強くお勧めします。本記事の情報を利用したことにより生じたいかなる損害・不利益についても、株式会社FGパートナーズは一切の責任を負いません。