会社負担型と選択制DC、結局どちらがいい?一人社長・従業員ありで変わる判断基準

会社負担型と選択制DC、結局どちらがいい?一人社長・従業員ありで変わる判断基準

企業型DCの導入を決めた会社が、次に必ずぶつかる分かれ道があります。掛金の原資を、会社が新たに出すのか。それとも今の給与の一部を振り替えるのか。

前者が「会社負担型」、後者が「選択制DC」です。どちらも同じ企業型DCですが、会社のコスト・社員の手取り・労務上の手間が、まるで違います。

そして厄介なのは、この判断が「従業員がいるかどうか」で正反対になることです。一人社長にとっての最適解と、社員10人の会社にとっての最適解は違います。

本記事では、二つの型の違いを整理したうえで、一人社長と従業員がいる会社それぞれの判断基準を具体的に示します。

📋 この記事でわかること

  • 会社負担型と選択制は「原資が誰の財布か」で分かれるという構造
  • 同じ月2万円でも、会社のコストと社員の手取りがどう変わるかの試算
  • 一人社長なら会社負担型がシンプルで、選択制を選ぶ理由が限られる理由
  • 従業員がいる会社で選択制を選ぶときに必ず引き受けることになるもの
  • 自社がどちらを選ぶかの判断フロー

1. 二つの型は「原資が誰の財布か」で分かれる

1会社負担型 ── 会社が給与とは別に上乗せする

いまの給与はそのままに、会社が掛金を上乗せして拠出する形です。社員から見れば純粋な待遇の上積みで、手取りは1円も減りません。

会社にとっては新たな支出です。ただし事業主掛金は給与ではないため、社会保険料の対象になりません。 同じ額を給与で払うより、会社の負担は軽くなります。

2選択制DC ── 既存の給与原資を本人が振り分ける

会社が給与の一部を「生涯設計手当」などの名称で切り出し、社員がその範囲で「掛金にするか、手当として受け取るか」を選ぶ形です。

会社が出す総額は変わりません。掛金にした分は事業主掛金として扱われ、給与から外れます。その結果、本人の社会保険料と税、会社の社会保険料が下がり得ます(下がる条件は次章で詳しく見ます)。

3共通点は「どちらも事業主掛金」

紛らわしいのですが、選択制で本人が選んだ分も、法律上は「事業主掛金」です。だから拠出した時点では社会保険料の対象にならず、給与としての所得税・住民税もかかりません。

ただし税金がなくなるわけではありません。 掛金と運用益は受け取るときまで課税が繰り延べられ、給付時に一時金なら退職所得、年金なら公的年金等の雑所得として課税されます。「非課税」ではなく「後払い」です。

ここがマッチング拠出との決定的な違いです。マッチング拠出は加入者本人が自分の給与から出すため、社会保険料は下がりません。

💡 ポイント:同じ「本人が上乗せする」でも、社保への効き方が逆です。- 選択制:給与原資を掛金に振り替える → 事業主掛金 → 社会保険料が下がる- マッチング拠出:本人の給与から拠出 → 加入者掛金 → 社会保険料は下がらない

4一覧で比べる

会社負担型選択制DC
掛金の原資会社が新たに負担既存の給与原資を振り替え
会社の掛金コスト増える変わらない
会社の社会保険料変わらない標準報酬月額が2等級以上下がれば減る
社員の手取り減らない給与部分は減る(社保・税も減り得る)
将来の老齢厚生年金影響なし標準報酬月額が下がった期間の分だけ下がる
加入の範囲原則全員(一定の資格による区分は可能)「希望する者」で区分可能(加入しない人への代替措置が前提)
労務上の手間小さい大きい(説明義務・規程整備)
社員への訴求「退職金が増えた」「選べる」

2. 数字で見る ── 同じ月2万円でも効き方が違う

報酬月額50万円の社員で比べます(社会保険料率は労使それぞれおよそ15%=40歳以上を想定した、本記事の概算です)。

1月2万円を振り替えても、社会保険料は下がらない

まず、よく使われる「月2万円」で試算します。

現状会社負担型選択制DC
報酬月額50.0万円50.0万円48.0万円
DC掛金2.0万円2.0万円
標準報酬月額50.0万円(30等級)50.0万円47.0万円(29等級)
本人の社会保険料(概算)7.5万円7.5万円7.5万円
会社の社会保険料(概算)7.5万円7.5万円7.5万円
会社の総コスト57.5万円59.5万円57.5万円

選択制なのに社会保険料が下がっていません。 理由は随時改定の要件です。

💡 ポイント:標準報酬月額を下げるには「2等級以上」動かす必要があります。日本年金機構の随時改定(月額変更届)は、①固定的賃金の変動、②変動月以後3か月の平均が従前と2等級以上ずれること、③支払基礎日数17日以上——の3つをすべて満たして初めて行われます。報酬月額50.0万円は健康保険30等級、48.0万円は29等級。1等級しか動かないため、随時改定に該当しません。 この場合、反映は翌年9月の定時決定まで持ち越されます。

2月5万円なら2等級動く

同じ社員で振替額を月5万円にすると、結果が変わります。

現状選択制DC(月5万円)
報酬月額50.0万円45.0万円
標準報酬月額50.0万円(30等級)44.0万円(28等級)
本人の社会保険料(概算)7.5万円約6.6万円
会社の社会保険料(概算)7.5万円約6.6万円

2等級動くので随時改定に該当し、本人・会社それぞれ月およそ9,000円軽くなります。ただし適用は変動月から起算して4か月目からです。

💡 ポイント:下げ幅は「振替額 × 15%」ではありません。実際に使われるのは等級表上の標準報酬月額です。この例では5万円振り替えても標準報酬月額は6万円下がり(50.0万→44.0万)、逆に2万円の振替では1円も下がりませんでした。いまどの等級のどこにいるかで結果がまったく変わります。

33つの読み取り

  • 会社負担型は、会社のコストが掛金分だけ増える。 ただし給与で同額上げる場合(社会保険料も約15%増える)より安く済みます
  • 選択制は「必ず安くなる」制度ではない。 等級が2つ動く水準まで振り替えて初めて社会保険料が下がります
  • 下がった場合も、それは将来の年金が下がることと同じ意味です。 得をしているのではなく、受け取る時期を後ろにずらしているだけという理解が出発点です

なお上の表は、いずれの型でも発生する運営管理機関の導入時費用と月額手数料を含んでいません。 実際の会社負担はここに上乗せされます。

3. 一人社長の判断基準 ──「会社負担型」が基本

1そもそも従業員がいない場合は、制度上の制約が少ない

厚生労働省の確定拠出年金Q&A No.2は、第一号等厚生年金被保険者が事業主のみである事業所でも企業型年金の導入は「可能」としています。厚生年金の被保険者が社長ひとりだけの法人はこれに当たります。

従業員がいなければ、加入者を区分する必要も、加入者としない人への代替措置も要りません。設計の自由度がいちばん高い状態です。

なお、配偶者や子を役員・従業員として厚生年金に加入させている法人は「事業主のみ」ではありません。その場合は次章の「従業員がいる会社」として考えてください。

2会社と個人が実質一体なので、「誰の財布か」の議論が消える

会社負担型と選択制の本質的な違いは「原資が会社の新規負担か、社員の給与の振り替えか」でした。一人社長の場合、会社の財布も自分の財布も、最終的には同じところにつながります。

つまり、二つの型を分けていた最大の論点が消えます。残るのは次の3点です。

3判断は「社会保険料を下げたいか」で決まる

  • 会社負担型:役員報酬はそのまま、掛金を上乗せ。標準報酬月額は変わらないので、社会保険料も将来の年金も変わりません。事業主掛金は役員給与ではなく、法人税法施行令135条3号により支出した事業年度の損金になります
  • 選択制:役員報酬の一部を振り替え。標準報酬月額が下がり、社会保険料が減る代わりに将来の年金も減ります

社会保険料の負担が重く、いま手元のキャッシュを厚くしたいなら選択制。将来の年金を削りたくないなら会社負担型、という整理になります。

4役員が選択制を使うなら、定期同額給与に注意

ここは一人社長固有の論点です。役員報酬を減額して掛金に振り替えることになるため、定期同額給与の要件に触れます。

法人税法施行令69条1項1号イは、その事業年度開始の日の属する会計期間開始の日から3月を経過する日までにされた改定を、定期同額給与に当たる改定として定義しています。この時期以外に期中で減額すると、改定前に支給していた定期給与のうち改定後の額を超える部分が損金不算入となるおそれがあります(臨時改定事由・業績悪化改定事由に当たる場合を除きます)。

注意すべきは導入時だけではありません。選択制では加入者が掛金額を変更できますが、役員の場合は掛金額を変えれば役員報酬の額も変わります。 変更のたびに定期同額給与の判定を受けるため、掛金額の見直しも期首から3か月以内に限る運用にしておく必要があります。

💡 ポイント:一人社長は、まず会社負担型で考えるのが素直です。選択制は、役員報酬の減額という手続きを踏むぶん、定期同額給与の縛りと将来の年金減という代償がついてきます。それを引き受けてまで社会保険料を下げたいかが判断の分かれ目です。なお選択制を採る場合は、導入も掛金額の見直しも、事業年度の切り替わりから3か月以内に収まるよう設計してください。

5積むときと受け取るときは、別の話

事業主掛金は、拠出した事業年度の損金になります(法人税法施行令135条3号)。限度額の範囲であれば、ここは問題になりません。

ただし退任時は別の判定が入ります。 法人税基本通達9-2-31は、退職した役員が会社から退職給与を受けるほか企業型年金規約に基づく給付などを受ける場合、その給付額も勘案して退職給与が不相当に高額かどうかを判定するとしています。

なお同通達は「既往における使用人兼務役員としての勤務に応ずる」給付という限定を置いており、代表取締役はそもそも使用人兼務役員になれません(法人税法34条6項、同法施行令71条1項1号)。文言どおり当てはめられるとは限りませんが、過大役員退職給与かどうかは業務従事期間・退職の事情・同種同規模法人の支給状況等による総合判断です(法人税法施行令70条2号)。DCは「役員退職金と無関係に無制限に積める箱」ではないという前提で、慰労金の水準と掛金額を一体で設計してください。

4. 従業員がいる会社の判断基準 ── 目的で選ぶ

従業員がいると、判断軸が「コスト」と「人材」の二つになります。

1採用・定着が目的なら会社負担型

「退職金制度がある会社」という事実が採用の場で効くのは、会社負担型です。社員から見れば純粋な待遇改善で、説明もシンプルに済みます。

一方、コストは全員分の掛金がそのまま増えます。月1万円×10名なら年120万円の新規負担です。

2新規コストをかけずに制度を持ちたいなら選択制

会社の総額を変えずに導入できるのが選択制の強みです。しかも社会保険料の会社負担分が下がるため、うまく機能すれば会社のコストはむしろ減ります。

さらに「希望する者」という一定の資格で区分できるため、入りたい社員だけを加入者にできます。 全員に強制する必要はありません。

ただし条件があります。法令解釈通知第1-1(2)は、「希望する者」で区分する場合、加入者とならない従業員には確定給付企業年金または退職手当制度が適用されていることを求めています。選択制では通常、加入しない人が生涯設計手当を給与として受け取る形(退職金の前払い)がこれに当たりますが、この受け皿を規程に落とし込んで初めて区分が認められるという順序です。「選ばせるだけ」では要件を満たしません。

3ただし選択制は「タダで手に入る制度」ではない

会社の現金支出が増えないぶん、負担は労務と説明の側に移ります。 ここを甘く見ると、導入後に必ず問題になります。次章で詳しく扱います。

4併用という選択肢

実務では、基本部分を会社負担で出し、上乗せ部分を選択制にする設計もあります。「最低限は会社が用意する、それ以上は本人が選ぶ」という形です。

ただし事業主掛金の算定方法は規約の記載事項(確定拠出年金法3条3項7号)で、認められる方法にも決まりがあります。また会社負担分と選択制の上乗せ分は合算して拠出限度額に収まる必要があります(他制度がない場合は月5.5万円。2026年12月1日からは月6.2万円に引き上げられる予定です)。併用の可否と具体的な組み方は、運営管理機関に確認してください。

5. 選択制を選ぶなら、必ず引き受けることになるもの

選択制は「会社の持ち出しなしで福利厚生が整う」と説明されがちですが、代わりに引き受けるものがあります。6つとも、導入後に問題になる順に並べました。

1掛金にしたお金は、原則60歳まで引き出せない

選択制は「手取りが増える」という説明で始まりがちですが、その前に伝えるべきことがあります。掛金にした分は、原則として60歳になるまで引き出せません。 転職しても、住宅を買うときも、子どもの学費が必要になっても、途中で現金化する手段は事実上ありません(脱退一時金は個人別管理資産額が一定以下であるなど、極めて限定的な要件を満たす場合に限られます)。

加えて、運用するのは加入者本人です。元本確保型を選べば減りませんが、投資信託を選べば給付額が拠出額を下回ることもあります。

給与の一部を振り替えるということは、流動性と元本の確実性を差し出して、税・社会保険料の軽減と運用の機会を受け取るということです。ここを説明せずに「手取りが増える」だけを伝えると、後で必ず不信を招きます。

2社会保険料が下がることの副作用

これが最大の論点です。標準報酬月額が下がれば、そこから計算される給付も下がります。

  • 将来の老齢厚生年金:標準報酬月額が下がった期間の分だけ、年金額が下がります
  • 傷病手当金・出産手当金:標準報酬月額をもとに計算されるため、受給額が下がる可能性があります
  • 遺族厚生年金・障害厚生年金:報酬比例部分をもとに計算されるため、同様に影響します
  • 失業給付・育児休業給付:賃金額をもとに計算されるものは、影響を受ける場合があります

若い社員ほど、老後の年金より育休・傷病時の給付が下がるほうが体感的に重いことがあります。世代によって刺さる論点が違う点は押さえてください。

3説明は「配慮」ではなく「要件」

前提として、法令解釈通知第1-2(5)は選択制を「労使合意により給与等を減額した上で」実施する仕組みと位置づけています。会社が単独で決めて始められる制度ではありません。

厚生労働省の確定拠出年金Q&A No.70は、給与や賞与を減額してその減額分を掛金とする場合について、「社会保険・雇用保険等の給付にも影響する可能性を含めて、事業主は従業員に正確な説明を行う必要がある」としています。説明にあたっては「具体的な事例を用いて説明することが望ましい」とも述べています。

同じ趣旨は法令解釈通知第1-2(5)にも定められています。手取りが増える面だけを説明して選ばせると、後で「聞いていない」となります。

あわせて同Q&Aは、事業主掛金を事業主が拠出せず、給与から控除する等により加入者に負担させることは認められないとも明記しています。

4生涯設計手当は、残業代や賞与の算定基礎に入る

見落とされやすい実務論点です。生涯設計手当として給与に組み込んだ部分は賃金なので、残業代の割増単価や賞与の算定基礎に含める必要があります。

一方、掛金として拠出した分は事業主掛金となり賃金から外れます。同じ社員でも、選択した額によって残業代の単価が変わるという運用になります。給与計算の設計を先に固めてください。

5最低賃金を割らないか

生涯設計手当を切り出したうえで掛金に振り替えると、賃金として残る部分が減ります。時給換算で最低賃金を下回らないかを、導入時と最低賃金の改定時に確認する必要があります。

最低賃金は毎年10月前後に改定されます。導入時に余裕があっても、数年後に抵触することがあります。

6選ばれなければ制度が形骸化する

「選べる」ということは「選ばれない」こともあるということです。説明が不十分だと、加入者がほとんど出ないまま運営管理機関の手数料だけがかかる状態になります。

6. 判断フロー ── 自社はどちらか

  • いない(一人社長)会社負担型が基本。 社会保険料を下げたい明確な理由があるときだけ選択制を検討し、事業年度の切り替わりに合わせる
  • いる → 次の問いへ
  • 採用・定着を強くしたい会社負担型。 待遇の上積みとして伝わり、説明も簡単
  • 新規コストをかけずに制度を持ちたい選択制。 ただし労務と説明の負担を引き受ける前提で
  • 両方併用を運営管理機関に相談
  • 社会保険料減の副作用まで含めた説明資料(具体的な事例つき)
  • 60歳まで引き出せないこと・元本割れの可能性を明記した同意書面
  • 生涯設計手当を踏まえた給与規程と残業代の計算方法
  • 最低賃金の確認(導入時と毎年10月)
  • 加入しない社員への受け皿(「希望する者」で区分する場合、確定給付企業年金または退職手当制度=前払いの適用が必要)
  • 労使合意と規約の承認申請
Q

会社負担型と選択制、節税効果が大きいのはどちらですか?

A

掛金はどちらも全額が損金になります(法人税法施行令135条3号)。ただし効果は同じではありません。会社負担型は損金が新たに増えるのに対し、選択制は給与が減って掛金が増えるだけなので、損金の総額は変わりません。 大きく違うのは社会保険料です。選択制は標準報酬月額が下がるため、会社・本人の社会保険料がともに減ります。会社負担型は社会保険料に影響しません。ただし選択制で減った社会保険料は、将来の年金や傷病手当金の減少と表裏一体です。単純な節税とは別物として判断してください。

Q

一人社長ですが、選択制のほうが社会保険料が下がって有利では?

A

社会保険料は下がりますが、将来の老齢厚生年金も下がります。 また役員報酬の減額になるため、定期同額給与の要件(法人税法施行令69条1項1号イ)に触れ、期中の減額だと差額が損金不算入となるおそれがあります。手元のキャッシュを優先するか、年金を守るかで判断してください。会社負担型なら、標準報酬月額を動かさずに掛金だけ積めます。

Q

選択制にすると、社員の手取りは必ず増えますか?

A

いいえ。標準報酬月額は等級制なので、振り替えた額が等級をまたがなければ社会保険料は下がりません。 また掛金にした分は現金として受け取れず、原則60歳まで引き出せません。選択制で起きているのは「所得控除が増える」ことではなく、課税と社会保険料の対象になる給与そのものが減ることです。その分、いま自由に使えるお金は減ります。

Q

会社負担型で導入した後から、選択制を足すことはできますか?

A

実務では基本部分を会社負担、上乗せを選択制とする設計もあります。ただし事業主掛金の額の算定方法は企業型年金規約の記載事項(確定拠出年金法3条3項7号)で、認められる算定方法にも決まりがあります。規約変更が必要になるため、可否と組み方は運営管理機関に確認してください。

Q

選択制で「入らない」と決めた社員は、後から入れますか?

A

入れます。Q&A No.19は、一度加入しないことを選択しても後から加入できるとしています(規約にその旨の規定が必要)。ただし一度加入すると脱退はできません。 この非対称性は、社員への説明で必ず伝えてください。

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まとめ|「原資をどこから出すか」を先に決める

会社負担型と選択制DCは、制度としては同じ企業型DCです。分かれ目は掛金の原資を会社が新たに出すか、既存の給与原資を振り替えるかの一点にあります。

押さえるべき3つのポイント

  • 一人社長は会社負担型が基本:会社と個人が実質一体なので「誰の財布か」の議論が消えます。選択制を選ぶ理由は「社会保険料を下げたい」場合に限られ、その場合も定期同額給与の縛りと年金減が付いてきます。
  • 従業員がいるなら目的で選ぶ:採用・定着が目的なら会社負担型、新規コストをかけたくないなら選択制。併用もあり得ます。
  • 選択制はタダではない:会社の現金支出は増えませんが、社会保険料減の副作用、説明義務、生涯設計手当と残業代の計算、最低賃金の確認が乗ってきます。

どちらを選ぶにせよ、社員に副作用まで説明できる状態にすることが制度を根づかせる条件です。説明できないまま導入した制度は、選ばれないか、後で不信を招くかのどちらかになります。

参照した公的情報源

【免責事項】

本記事は、企業型確定拠出年金(企業型DC)に関する一般的な情報提供を目的として作成されています。記載内容は執筆時点の法令・税制に基づくものであり、今後の法改正・制度変更により内容が変わる場合があります。本記事は特定の投資行動・税務処理・法的手続きを推奨するものではなく、個別の状況に応じた専門的アドバイスの提供を目的とするものではありません。実際の導入・運用にあたっては、税理士・社会保険労務士・ファイナンシャルプランナー等の専門家へのご相談を強くお勧めします。本記事の情報を利用したことにより生じたいかなる損害・不利益についても、株式会社FGパートナーズは一切の責任を負いません。