60歳を超えた社長でも企業型DCは間に合う?65歳・70歳経営者の退職金準備を徹底解説

「もう60歳を超えたから、今から企業型DCを始めても遅いのでは」。60代の経営者から、よくいただく質問です。
結論からお伝えすると、厚生年金の被保険者である間(原則70歳未満)であれば、60歳を超えても企業型DCは始められます。2022年の制度改正で加入できる年齢が広がり、受け取りの時期も75歳まで後ろ倒しできるようになりました。
ただし、60歳を超えてから始める場合は「いつ受け取れるか」に固有のルールがあり、ここを外すと「掛けたのに、しばらく受け取れない」といったことになりかねません。「65歳だから」「70歳が近いから」と入り口で諦めてしまう前に、まずは制度の年齢ルールを正しく押さえておくことが大切です。
この記事では、何歳まで加入できるのか、60歳以降に始めるといつ受け取れるのか、そして短い期間でも使う価値があるのかを、経営者目線で整理します。
📋 この記事でわかること
- 60歳超・65歳でも企業型DCに加入できること(原則70歳未満)
- 60歳以降に初めて加入した場合の受給開始時期(加入から5年ルール)
- 「70歳」「75歳」という2つの年齢の壁
- 短い加入期間でも得られる税メリットと、正直な注意点
- 企業型DCが間に合わない場合の選択肢(iDeCo・小規模企業共済)
1. 結論|60歳を超えても企業型DCは「間に合う」
まず結論です。60歳を超えていても、厚生年金の被保険者であれば(原則70歳未満)、企業型DCに新しく加入できます。 かつては「原則60歳未満、規約で定めても65歳未満まで」でしたが、2022年5月の改正で、厚生年金の加入年齢に合わせて原則70歳未満まで広がりました。
ただし、誰でも自動的に70歳近くまで入れるわけではなく、2つの前提があります。
- 会社の規約が、その年齢での加入を認めていること(規約で「〇歳未満」と加入資格を定められるため)
- 本人が厚生年金の被保険者であり続けること(役員報酬を受けている社長なら、原則70歳未満まで被保険者)
実際、事業に追われて自分の退職金準備を後回しにしてきた経営者は少なくありません。60代に入ってから「そろそろ出口を考えたい」と思ったとき、企業型DCがまだ選択肢になるのかは大きな問題です。答えは「なる」。ただし、受け取りまでに一定の期間が必要なため、着手が1年遅れれば受け取りの開始も1年後ろへずれます。
結論としては「間に合う」。ただし、後述するとおり始めるのが早いほど有利で、60歳を超えてからは受け取りの時期を逆算して設計することが欠かせません。
2. まず年齢のルールを整理|「加入」と「受け取り」は別の話
企業型DCの年齢を考えるときは、加入できる年齢と受け取れる年齢を分けて考えると混乱しません。2022年の改正で、どちらも幅が広がりました。
| 区分 | 改正前 | 現在(2022年改正後) |
|---|---|---|
| 加入できる年齢 | 原則60歳未満(規約で最大65歳未満) | 厚生年金被保険者なら原則70歳未満 |
| 受け取り開始 | 60〜70歳(要件を満たした後) | 60〜75歳(要件を満たした後) |
| 継続加入の要件 | 同一事業所での継続雇用が必要 | 同一事業所要件は撤廃 |
この見直しは、厚生年金の加入年齢(原則70歳未満)や、企業に70歳までの就業機会確保を求める流れに合わせたものです。65歳、70歳まで働く経営者が増えるなか、その間ずっと資産形成を続けられるようにした改正といえます。あわせて「同一事業所で継続雇用されていること」という要件も外れ、転職・再就職をしても企業型DCを続けやすくなりました。受け取りを遅らせれば、そのぶん運用を続けられる期間が延びます。60歳を過ぎてから始めても、受け取りの上限が75歳まであることで、一定の運用期間を確保できるわけです。
ポイントは、加入は原則70歳未満まで、受け取りは75歳までという2つの上限がある点です。この2つの間に「60歳以降に始めた人はいつから受け取れるか」というルールが入ってきます。次章で見ていきます。
加入できるのは原則70歳未満(厚年被保険者)。
受け取りは、受給要件を満たしたうえで60〜75歳の間で選べる。
この2つの上限を意識するのが、60代からのDC設計の出発点です。
3. 60歳以降に始めると、いつ受け取れる?|「加入から5年ルール」
ここが60歳超スタートで一番大事なところです。
企業型DCの老齢給付金は、原則として「通算加入者等期間」が10年以上あれば60歳から受け取れます。10年未満だと、期間に応じて受給を開始できる年齢が下記のように繰り下がります。
| 通算加入者等期間 | 受給を開始できる年齢 |
|---|---|
| 10年以上 | 60歳 |
| 8年以上10年未満 | 61歳 |
| 6年以上8年未満 | 62歳 |
| 4年以上6年未満 | 63歳 |
| 2年以上4年未満 | 64歳 |
| 1か月以上2年未満 | 65歳 |
通算加入者等期間とは、企業型DCやiDeCoで掛金を出した期間(加入者期間)と、掛金を出さず運用だけを行った期間(運用指図者期間)を合わせたものです。過去に別の会社の企業型DCやiDeCoに入っていた人は、その期間も通算されます。
ところが、通算加入者等期間として数えるのは、原則として「60歳に達した日の前日が属する月以前」の企業型DC・iDeCoの加入者期間や運用指図者期間です。つまり、60歳を超えて初めて加入した人には、この表に当てはめる期間がありません。
そこで別のルールが用意されています。60歳以降に初めて確定拠出年金に加入した場合は、加入日から5年を経過した日以降に受給できる、というものです。
参照:企業年金連合会「用語集「通算加入者等期間」」
ただし、ここで見落としてはいけないのが、「5年が経過しただけでは受け取れない」という点です。企業型DCの老齢給付金を請求できるのは、掛金の拠出をやめて加入者資格を失った後です。掛金を出し続けている間は、5年が経過しても受け取れません。
たとえば、掛金を拠出できる70歳まで続ける前提で整理すると、次のようになります(受け取りの上限は75歳)。
| 初めて加入した年齢 | 5年要件を満たす年齢 | 実際に受給できる時期 |
|---|---|---|
| 63歳 | 68歳 | 70歳で資格喪失後(拠出を続けた場合) |
| 65歳 | 70歳 | 70歳で資格喪失後に受給可能 |
| 68歳 | 73歳 | 70歳で資格喪失後、73歳から受給可能 |
つまり、掛金を70歳まで拠出する場合、実際に受け取れるのは「5年要件を満たす年齢」と「70歳」のうち遅いほうから、ということになります。途中で拠出をやめて資格を喪失すれば、5年要件を満たした時点から受け取れます。
逆に、50代からiDeCoや前職の企業型DCに入っていて、60歳より前の加入者期間が10年以上ある社長なら、60歳から受け取れます。カギは「60歳より前にDCの期間があるかどうか」です。まったくの初加入が60歳以降であれば、5年ルールが適用されると考えておきましょう。
💡 ポイント:60歳を超えてから始めると、受け取りは「加入から5年後」かつ「加入者資格の喪失後」がスタートラインになります。掛けてすぐ引き出せるわけではないので、受給上限の75歳から逆算して、余裕をもって始めることが大切です。実際に老齢給付金を受け取るには、5年の要件を満たすだけでなく、掛金の拠出をやめて加入者資格を失っている必要があります。
なお、企業型DCは原則として60歳より前に引き出すことはできず、受け取りは老齢給付金として上記のタイミングになります。「急にまとまったお金が必要になっても引き出せない」制度である点は、あらかじめ理解しておきましょう。
4. 「70歳」と「75歳」の壁|65歳・68歳・70歳社長のケース別
60代からのDCには、2つの年齢の壁があります。
- 70歳の壁:厚生年金の被保険者は原則70歳未満です。70歳に到達すると被保険者資格を失うため、そこで掛金の拠出は終了し、以後は運用だけを行う「運用指図者」になります。70歳ちょうどを超えてからの新規加入は、原則できません。
- 75歳の壁:受け取りの開始は75歳が上限です。
これを社長の年齢別に見ると、間に合うかどうかがはっきりします。
| 社長の年齢 | 加入 | 受給開始の目安(資格喪失後) | 評価 |
|---|---|---|---|
| 65歳 | 可能 | 70歳 | 75歳まで運用でき、十分間に合う |
| 68歳 | 可能(69歳まで) | 73歳 | 可能だが、拠出・運用の期間は短い |
| 70歳 | 原則不可 | ― | 69歳までに始める必要がある |
つまり、「70歳の経営者が今から新規に」は原則として難しく、69歳までがリミットです。すでに70歳に近い場合は、7章で触れる選択肢も含めて考えることになります。逆に、65歳前後であれば、受け取りまでの期間も運用期間も確保でき、十分に検討する価値があります。
70歳で拠出を終えたあとは、受け取りを始めるまでの間、運用指図者として運用だけを続けられます。ただしこの間の口座管理手数料などの費用負担は、規約や運営管理機関等によって異なるため、事前に確認しておきましょう。また、65歳以降も役員報酬を受けて働く社長は、報酬と老齢厚生年金の合計額によっては、在職老齢年金の仕組みで年金の一部が支給停止になることもあります。年金の受け取り方とあわせて、70歳前後で出口を整理しておくと安心です。
5. 短い加入期間でも使うメリットと、正直な注意点
「どうせ短い期間なら意味がないのでは」と思われるかもしれません。短期でも税制上のメリットはありますが、注意点もあります。両方を正直に並べます。
| 内容 | |
|---|---|
| メリット | 事業主掛金は全額損金。社長個人としては給与課税がなく、同じ額を役員報酬で受け取るより税制面で有利になりやすい(効果は報酬水準などにより異なる)。受け取り時も退職所得控除・公的年金等控除の対象になる。 |
| 注意点 | 加入期間が短いと、退職所得控除の枠(原則、給付額の計算基礎となる加入期間等で計算)が小さくなる。ほかの退職金と近い時期に一時金で受け取ると、退職所得控除の重複調整に注意(受け取る順番で確認する期間が変わる)。運用期間が短く、相場変動のリスクを取りにくい。資格喪失後に運用だけ続ける場合の手数料負担は、規約や運営管理機関によって異なる。 |
短期加入は「大きく増やす」よりも、損金と退職所得控除を活かして、経営者の退職資金を計画的に準備する意味合いが中心になります。
DC一時金の退職所得控除に使う「勤続年数」は、原則として給付額の計算基礎となった加入期間等をもとに計算します。たとえば65歳で初めて加入し、過去制度からの移換もなく5年間拠出した単純なケースなら、退職所得控除は「40万円×5年」で200万円が一つの目安です。長く積み立てた人に比べれば枠は小さく、ほかの退職金と近い時期に一時金で受け取ると、控除を使い切って課税対象が増えることもあります。
とくに2026年以降は、受け取る順番で確認する期間が変わります。DCの一時金を先に受け取り、あとから会社の退職金等を受け取る場合は前年以前9年、会社の退職金等を先に受け取り、あとからDCの一時金を受け取る場合は前年以前19年が関係します。どちらを先に受け取るかで税務上の結果が変わり得るため、受け取る順番と時期は事前に設計しておくのが安全です。運用も、加入期間が短い場合は、受給予定の時期・ほかの金融資産・リスク許容度を踏まえて、長期加入者とは異なる配分を検討する必要があります。個別の税額は状況によって変わるため、出口の設計は顧問税理士と相談しながら進めるのが安全です。
モデルケース|65歳の社長が始めたら
イメージをつかむために、65歳の社長が企業型DCを始めるケースを追ってみます。
65歳で加入し、厚生年金の被保険者として役員報酬を受けながら、毎月の事業主掛金を拠出します。掛金は全額が損金となり、社長個人の給与課税もありません。70歳に到達すると厚生年金の被保険者資格を失うため、そこで拠出は終了します。以後は運用指図者として運用を続け、加入から5年が経過した70歳以降、75歳までの好きなタイミングで受け取ります。
この5年間は「大きく増やす」というより、会社が資金の一部を事業主掛金として拠出し、拠出時非課税と受給時の退職所得控除等を活かして、経営者の退職資金を計画的に準備する期間と捉えるのが実態に近いでしょう。掛金を出せる期間と、受け取りまでの猶予をしっかり確保するには、やはり少しでも早い着手が効いてきます。
企業型DCの事業主掛金は全額が損金になり、拠出時に加入者の給与として課税されることもありません。受け取り時には、一時金なら退職所得控除、年金なら公的年金等控除の対象になります。短い期間でも、この拠出時非課税と受給時の控除の活用が、短期加入を検討する主な理由です。ただし、既存の役員報酬を単純に減額して掛金へ付け替えるような設計をする場合は、役員給与の税務や社会保険、規程との関係も別途検討が必要です。なお、企業型DCの法令上の拠出限度額は、DB等の他制度がなければ現在は月5.5万円、2026年12月1日以降は月6.2万円で、年齢によって上限が小さくなる仕組みではありません。
6. 会社にまだ企業型DCがない場合|新規導入で押さえること
「そもそも自社に企業型DCがない」という場合は、まず制度の新規導入から始めることになります。ここでも年齢そのものがネックになることはありませんが、導入には一定の準備が必要です。
企業型DCを導入するには、労使の合意にもとづく規約の作成(過半数労働組合、なければ過半数代表者の同意)や、運営管理機関の選定などが必要で、実際に始まるまでには数か月単位の期間を見込んでおくと安心です。60代の経営者が「加入できる年齢のうちに始めたい」場合ほど、この準備期間を逆算しておくことが大切になります。
また、加入者の範囲を役員だけにするか、従業員も含めるかは制度設計の論点です。役員の退職金づくりが主目的でも、制度は原則として従業員も対象にできる形で設計する必要があるため、自社に合った形を専門家と詰めておくとよいでしょう。なお、従業員がいない一人社長やマイクロ法人でも、厚生年金の被保険者であれば企業型DCを導入でき、この場合は役員である社長が加入者になります。
導入や運営には、初期費用や加入者ごとの運営管理手数料などのコストもかかります。加入できる期間が短い60代からの導入では、こうしたコストと、実際に拠出・運用できる期間を見比べて、見合うかどうかを事前に確認しておくとよいでしょう。
7. 間に合わない・向かない場合の選択肢|iDeCo・小規模企業共済
70歳が近い、あるいは企業型DCの運営コストに見合わないと感じる場合は、ほかの制度も選択肢になります。
iDeCo(個人型確定拠出年金)
iDeCoは現在、原則65歳未満(厚生年金被保険者など)が加入できます。さらに、2026年12月1日から加入可能年齢が70歳未満に引き上げられる予定です(老齢基礎年金やiDeCoの老齢給付金を受給していないこと、マッチング拠出をしていないことなどが条件で、施行から3年間は経過措置もあります)。掛金は全額が所得控除の対象で、運用益も非課税です(上限額は加入区分によって異なります)。
ただし、拡大後もiDeCoに掛金を出せるのは70歳未満までです。そのため、企業型DCを70歳で終えたあとに、あらためてiDeCoで掛金を積み立て直すことはできません。企業型DCの資産をiDeCoへ移して一本化することは可能ですが、新たな掛金の拠出は70歳未満が前提になります。
小規模企業共済
小規模企業共済は、経営者・役員個人が退職金を積み立てる制度で、掛金は月1,000円〜7万円の範囲で設定でき、全額が所得控除の対象です。廃業や退任のときに共済金を受け取れ、受け取り時は退職所得または公的年金等控除の扱いになります。企業型DCが「会社の制度」であるのに対し、こちらは「経営者個人の制度」で、併用も考えられます。ただし、加入資格には従業員数などの要件があるため、事前の確認が必要です。
役員退職慰労金・生命保険など
在任中の積み立てだけでなく、退任時に支給する役員退職慰労金(適正額であれば損金算入)や、法人契約の生命保険を組み合わせる方法もあります。役員退職慰労金は、勤続年数や最終報酬月額などをもとに適正額を算定するのが一般的で、企業型DCで積み立てた資産とあわせて、退任時の受け取り全体を設計できます。
どれを選ぶかは、誰の(会社か個人か)・いつ受け取る・どの税制を使うかで変わります。1つに絞らず、企業型DCと組み合わせて設計するのが現実的です。
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8. 60代から始めるときの進め方・確認ポイント
最後に、60歳を超えてから企業型DCを検討するときの確認ポイントを整理します。
- 規約の加入資格年齢:自社(または導入予定)の規約が、その年齢での加入を認めているかを確認する。
- 厚生年金の被保険者か:役員報酬を受けており、原則70歳未満で被保険者であることが前提。
- 受給開始年齢の逆算:「加入から5年後」かつ「75歳まで」の枠内に収まるか、始める前に確認する。
- 出口を先に設計:退職所得控除や、ほかの退職金との受け取り順序(順番で前年以前9年/19年が関係)を含め、受け取り方を先に描く。
- 運用方針:加入期間が短い場合は、受給予定の時期・ほかの金融資産・リスク許容度を踏まえて配分を考える。
- コストとの見合い:導入・運営のコストと、実際に拠出できる期間を比べ、見合うかを確認する。
とくに60歳を超えてからは、受け取りまでの時間が限られます。思い立ったら早めに確認を始めるのが得策です。「何歳まで積み立てて、いつ・どう受け取るか」を先に描いてから始めることが、60代からのDCで失敗しないコツです。
65歳ですが、今から企業型DCに入れますか?
厚生年金の被保険者で、会社の規約がその年齢での加入を認めていれば、加入できます。65歳で始めて70歳まで掛金を拠出する場合、受け取りは加入者資格を失う70歳以降(このとき5年要件も満たします)で、75歳まで運用を続けられます。
70歳を過ぎても、新しく始められますか?
企業型DCは原則としてできません。厚生年金の被保険者は原則70歳未満で、70歳に到達すると掛金の拠出は終了するためです。また、2026年12月1日から加入範囲が広がるiDeCoも、掛金を出せるのは70歳未満まで。したがって、70歳に到達した後に新たにDCで掛金を積み立て始めることは基本的にできません。小規模企業共済など、年齢以外の要件で加入できる制度も含めて検討することになります。
60歳以降に始めると、いつから受け取れますか?
60歳以降に初めて確定拠出年金に加入した場合は、加入日から5年を経過した日以降に受け取れます。ただし、実際に受け取るには掛金の拠出をやめて加入者資格を失っている必要があります。たとえば70歳まで拠出を続ける場合、63歳で始めても受け取りは70歳以降、65歳で始めれば70歳から、となります(上限は75歳)。
短い期間だと、入る意味はありますか?
大きく増やす効果は限られますが、事業主掛金が全額損金になり、受け取り時も退職所得控除などの対象になるため、役員報酬の一部を効率よく退職金に振り替える手段になり得ます。ただし、退職所得控除の枠や手数料も踏まえた判断が必要です。
掛金を出しながら、同時に受け取ることはできますか?
できません。掛金を拠出している(加入者である)間は受け取れず、加入者資格を失ってから受給の手続きに進みます。
70歳まで働くつもりです。掛金も70歳まで出せますか?
厚生年金の被保険者で、会社の規約が認めていれば、原則70歳に到達するまで掛金を拠出できます。70歳で拠出は終了し、その後は運用のみを続けて、受け取りのタイミングを選びます。
すでに企業型DCの老齢給付金を受け取っていますが、また加入できますか?
老齢給付金を一時金で受け取ったあとや、年金として受給している間は、企業型DCの加入者にはなれません。受け取りを始める前であれば、要件を満たすかたちで加入・運用を続けられます。
65歳の社長ですが、iDeCoと企業型DCのどちらがよいですか?
2026年8月現在、65歳以上の方が新たにiDeCoに加入できるケースは限られますが、2026年12月1日からは一定の要件のもと、70歳未満まで加入できる範囲が広がります。一方、企業型DCは厚生年金の被保険者で規約が認めていれば、現在でも原則70歳未満まで加入できます。会社拠出(損金)を活かしたいのか、個人の掛金として所得控除を受けたいのか、既存の企業年金や受給状況などによって、向く制度は変わります。両方を組み合わせる設計も可能です。
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まとめ|60代でも「間に合う」。ただし逆算がカギ
60歳を超えても、厚生年金の被保険者(原則70歳未満)であれば企業型DCは始められます。ただし60歳以降に始めると、受け取りは「加入から5年後」がスタートで、上限は75歳。始める前に、受け取りまでを逆算しておくことが欠かせません。
おさえる4点
- 加入は原則70歳未満:厚年被保険者で、規約が認めていることが前提。
- 受給は「5年経過+資格喪失」後:60歳超スタートは通算期間ゼロ扱い。拠出をやめて資格を失って初めて受給可能に。上限75歳から逆算を。
- 70歳の壁に注意:新規に始めるなら69歳まで。70歳で拠出は終了。
- 短期でも税メリットはある:損金・退職所得控除を活かしつつ、控除枠や手数料も踏まえて判断。
「もう遅い」と決めつける前に、自社の年齢・報酬・ほかの退職金の状況を一度整理してみる価値は十分にあります。どう設計するのが最適かはケースごとに変わるため、出口まで含めて、専門家と一緒に検討することをおすすめします。
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